日本航空123便の高度変化
------ 発表されたレーダー・データをつないだもの
・・・・・・・ フライト・レコーダーによる詳細な高度変化
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機内の与圧が抜けたときには、乗客が息苦しくならないですむ高度13,000フィート(約3,900メートル)まで、急降下するのが、緊急操作の手順になっている。
123便の場合、高度24,000フィートから13,000フィートまで急降下するには、2分もあれば十分である。
ところが、123便は異常事態発生後、逆に高度を上げたかと思うと、少し下げ、再び上昇するという極めて不自然な高度の変化を見せ、17分間も高度2万フィート(約6,000メートル)以上のまま飛び続けていた。機長が降下しようと操作しても、機体が反応しなかったに違いない。
そして18時40分頃からかなり急な降下に入ったのだが、この降下は急な右旋回もまじえて、8分間に22,000フィートから6,600フィートへと、一気に高度を15,400フィート(約4,600メートル)もさげてしまうという異常なものだった。機長は思うように降下できないので、高度を下げる手段として脚を下ろしたところ、予想以上に高度を失ったに違いない。
このような飛行高度の異常な変化は、機体が上昇・降下のコントロール機能を失っていたこと、従って水平安定板および昇降舵の操作ができなくなっていたことを示している。
つまり、航跡図と高度変化図が示しているのは、123便が方向のコントロールも上昇・降下のコントロールもできなかった、まさに糸の切れた凧にも等しい状態になっていたということなのである。 柳田邦男著 死角 巨大事故の現場 (新潮社)より |
墜落地点:群馬県多野郡上野村大字檜原字本谷3577番地国有林76林班内
墜落地点は、上野村の御巣鷹山と、県境の三国山の中間の無名の尾根ですが、黒澤丈夫上野村村長(当時)によって「御巣鷹の尾根」と命名されました。 |
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